西洋経済史

産業革命の技術革新とイギリスへの影響について

1つの産業革命は、1730~1830年までの期間とされるイギリスで起こった技術革新のこと。2つめ産業革命は、1860年代後半ないし1870年代初頭から第1次世界大戦までの期間で科学的知識と技術の融合で起きた技術革新のこと。 最初はイギリスを…

近世ヨーロッパにおける商業の発達について、その特徴と経済的影響をまとめなさい。

近世ヨーロッパにおける商業の発達について、その特徴と経済的影響をまとめなさい。 近世ヨーロッパにおける商業の発達は、15世紀後半に環境・技術・市場等の要因を受けた特産地の形成と手工業の生産地域の拡散と生産の多様化という背景の中で発達した。近世…

ヨーロッパの海外進出について、その経緯をまとめなさい。またその経済的影響について、歴史的な事件を例にとって説明しなさい

ヨーロッパの海外進出について、その経緯をまとめなさい。またその経済的影響について、歴史的な事件を例にとって説明しなさい。 732年のトゥール・ポワティエの間の戦いでイスラーム勢力をイベリア半島へと押し返し、13世紀には、イベリア半島のほとんどが…

フランスの工業化

フランスの工業化 フランスの工業化は、第二帝政期52〜70年に本格化した。18世紀のフランスにとって成長の源泉は海外市場での貿易であった。しかし、1789年革命からナポレオン戦争でイギリスの海外市場を奪われて急速に衰退に向かった。その後の復古王政の政…

16世紀から18世紀の低地地方の経済成長についてその経済史的な位置づけを考慮して述べよ。

16世紀から18世紀の低地地方の経済成長についてその経済史的な位置づけを考慮して述べよ。 16世紀から18世紀における低地地方の経済成長の契機は、フェリペ2世の統治に対する低地地方の1585年のアントウェルペン陥落である。それにより、国際商業は混乱し、…

プロト工業化論

プロト工業化論では、プロト工業化がそれまでの伝統的な人口と経済の関係にどのような革新をもたらしたと説明しているか、そのメカニズムについてヨーロッパの事例に基づき解説しなさい。 17世紀から18世紀のフランドル地方は、人口の増加とフランドル地方か…

産業革命と農業革命の関係について、16世紀以降のイギリスを舞台にして説明しなさい。

産業革命と農業革命の関係について、16世紀以降のイギリスを舞台にして説明しなさい。 18世紀から19世紀にかけてイギリスの人口が増加していく中で農業革命があった。 農業革命とは、休耕地を無くした四輪作の導入と囲い込みによる集約的土地利用を行…

展望

(3) 展望 ナポレオン第一帝政期 1. 旧公債利子の3分2破棄による金銀本位制復帰(1796~7年) 2. フランス銀行設立(1800年) 3. 新通貨ジェルミナル・フラン発行(1803年) 4. 対外的軍事勝利 産業革命に突入して新たな資本主義形成の途を歩み始める。 しかし、課…

フランス革命の成果

フランス革命の成果 内外からの激しい反革命の圧力国民を防衛戦争へ民主化(普通選挙権1792年)小ブルジョア的急進派が革命の主導権 営業の自由:1790年特権的大株主会社の解体1791年営業税法・ギルドを含む同職組合の禁止・商品流通を妨げていた税も全廃所得…

フランス革命

フランス革命 (1) 絶対王政の危機と対応 重商主義国家イギリス VS フランス絶対王政 戦争による財政赤字・増税コルーベールの経済体制が破綻 イギリスの金融制度導入(金融=財政の改革と建て直し=ジョン・ロー体制、1716年~20年)財政改革を抜きにした公債整…

イギリス革命

イギリス革命 (1) 絶対王政の動揺と対応 王権と下院の論点:営業の自由と「独占」 独占特許を濫発し「エジプトの王を悩ました蛙の大群のごとく」国民生活に甚大な被害 ↓ 議会承認なし消費税⇦1642年「独占大条例」王政はギルド・組合の除外 カンタベリー大主…

絶対王政

絶対王政 フランスの絶対王政 地方の三部会が事実上機能を奪われる中央政府・知事を頂点に地方行政=警察機構が抵抗を排しつつ権限を拡大。 ・直接税の増税: 農民所得の36% 農民のみ 貴族・領主は免税権を保持 ・内国関税 ・消費税 >直接税集められた租税宮廷…

製品・市場の多様化

製品・市場の多様化 16C半ば~17Cの20年代:毛織物輸出の減退傾向の原因 1、オダンダ独立戦争の過程で、アントウェルペンがスペインに略奪(1585年) 2、中部ヨロパが三十年戦争と中欧市場の通貨操作 3、16C末:スペインの支配下にあった南ネーデルランドからは…

農業ー土地制度の変容

農業ー土地制度の変容 16C農民は自分の保有地を事実上、自由に世襲・売却・貸借できるようになった。 農民的土地所有 ・土地の商品化 ・土地市場の形成 ・ 農民層の階級分化 16Cイギリス 自由土地保有農民農民的土地所有 慣習的土地保有農民:コピーホールダ…

価格革命

価格革命 16C~17C初めにかけて、持続的な物価高騰。 理由価格革命 ①物価上昇の「貨幣数量説的」 アメリカ銀の流入貨幣価値の下落物価高騰 ②人口増加に伴う需要の増大需要に見合う供給の不足一般物価の上昇 ③景気のA局面(長期的な好況期)by F シミアン物価史…

アントウェルペンの繁栄

アントウェルペンの繁栄 14C初頭大市の開設15C国際的な中継市場16Cに飛躍的な発展 発展の契機 ①イギリス毛織物の受け入れ ②銀・銅・麻織物等を供給する南ドイツとの結びつき ③ポルトガルがヨーロッパへ輸入する各種の植民地物産の取引 15C30年代 フランドル:…

アメリカ貿易の展開とスペイン帝国の形成

アメリカ貿易の展開とスペイン帝国の形成 東インド貿易は、東方貿易の拡大であった。 アメリカ貿易は、ヨロパに大きな影響をあたえる。 アメリカ 輸出:銀セビリア港 輸入:穀物・ワイン・農具・毛織物 場所:ポトシ銀山(1545年) 過程:水銀アルマガム精錬法の採…

地理上の発見と東インド貿易

地理上の「発見」と東インド貿易 きっかけ:アラビア人による胡椒価格の釣り上げとオスマンートルコの西漸運動による地中海貿易の妨害 ↓ 解決策:新しい地理上の発見を通して新航路を開拓。 ↓ 15C末 イタリア人コロンブスがスペイン王朝の援助のもとにアメリカ…

中世貿易の枠組みの貿易

中世貿易の枠組みの分解 イギリスの貿易変化はヨロパ中世貿易に影響 1、フランドル・ブラバント地方はスペイン羊毛市場へシフトチェンジ 2、毛織物でフランドル・ブラバンドの毛織物を駆逐。 海外販路 1、フランスを中心、スペイン、ポルトガル、イタリア南…

イギリス貿易の構造転換

イギリス貿易の構造転換 毛織物供給 フランドル・ブラバント地方と北イタリア この2地域では、地元産の羊毛は品質が劣る。産出量も少ない。 イギリス(8割9割)とスペインの羊毛供給が必要 ↓ 輸出 羊毛 フランドル 輸入 毛織物 from フランドル

中産的生産者の成立と分解

中産的生産者層の成立と分解 封建的=ギルド的束縛から解放されつつあった独立自営農民と小親方層そうして中産的生産者層=封建制を解体させる酵母=「ヤヌスの首」:再生産機構と新しい局地的再生産圏上昇転化もみられた 15c~16Cの中産的生産者層の分解 14C~15…

農村工業の台頭と局地的商業圏の形成 14C~15C

農村工業の台頭と局地的市場圏の形成 14C~15C 1381年 ワットタイラーの乱 農村一帯に都市に対抗する農村工業の展開としてあらわれる近代化 農村工業の展開 農民の副業的家内工業から成長 中世都市の小親方が農村にくる= urban exodus 比較的自由 局地的市場…

転換期としての15Cイギリス

転換期としての15Cイギリス イギリス15C 輸出品: 羊毛 減少「マーチャント・ステイプラーズ」の地位低下。 ↓ 農村毛織物工業の発展羊毛の需要の増大 原料=羊毛輸出国製品=毛織物輸出国へと変化(15C半ば)=毛織物輸入は激減 原料供給国製品輸出国 1、農業生産…

領主・農民関係の変化

領主・農民関係の変化 イギリスの荘園制 13C最盛期。農奴の賦役羊毛や穀物輸出14C後半定額の貨幣地代黒死病人口減領主の直営地の維持は困難当時100年戦争戦費必要人頭税の徴収1381年ワットタイラーの乱賦役から解放近隣の市場で売買貨幣的富の形成14C末には…

同職ギルド=ツンフト

同職ギルド=ツンフト 共倒れを防ぐために都市内での共同体のギルド形成。 イタリアフランスイギリス、ドイツ ギルド:経済条件を平等に維持。よそ者に対して都市市場を独占。 対内的平等、対外的独占 方法:厳しい規制・発明や技術改良を敵視・競争の排除・加…

中世都市の規模と種類

中世都市の規模と種類 2種類の商工業都市 1、能動的な都市で、積極的に荘園の拡張や特産物の生産に努める。外国商人による取引規制。 商業独占 2、受動的な都市で、外来商人を自由に受け入れる。 商業の自由 中世都市の商業には、独占と自由の両面がある。 …

ドイツ・ハンザ

ドイツ・ハンザ 10C末北ドイツ諸都市の商人が商業活動バルト海沿岸 ハンザ: 外地におけるドイツ商人の綜合の呼称 フランドルに対抗して作った都市同盟 何をしたか? 外国の都市で商業上の特権・通行税の賦課・不買行為・略奪 14世紀末の黄金時代: リューベッ…

東方貿易とイタリア諸都市の繁栄

東方貿易とイタリア諸都市の繁栄 「商業の復活」地中海 イタリア商人 東方貿易 シャンパーニュ、北ヨロパ 北海 バルト海 北ドイツ商人 ハンザ貿易 アマルフィとピサ13Cヴェネツィアとジェノバ、フィレンツェ15Cヴィネツィア=3000隻の商船が地中海を往来する…

門閥都市から平民都市

門閥都市から平民都市へ 都市領主の時代団体の時代 商人貴族制と門閥都市 市民から選ばれた市政の重要な役職は、都市貴族(門閥)が占めていた。取引や婚姻などで閥族を作り要職を占めるようになっていった。遠隔地取引・問屋制前貸しで都市市場を支配。 14C、…

都市の自治

都市の自治 経済的実体を備えた都市が封建領主と闘って自治権を獲得。 都市のもとでは、商人も手工業者も近隣農村と同様に領主の支配をうけていた。しかし、領主とは法的・身分的に異なる権利関係があった。それは、身分の統一が「市民」身分が生まれてなか…